綱渡り的自転車操業人生
実は4月頃からのんびりとバタバタしている私生活。
どちらかと言えば神経質な方な僕は慢性睡眠不足なのである。
梅雨の曇天空の下、パソコンに向かう僕の足元の下の方、
ドンドン、ガンガン、ブィ~ンとけたたましい音と振動。
遂に改装工事が始まったのだ。
結婚した当初から僕と細君にはささやかな思いがあった。
どうにか飲食関係の店ができたらって思っていた。
実は失業してからもなけなしの貯蓄と借金でもして、
どうにか開業できたらってあちこち歩き回ったり、
不動産屋に顔出したりしていた。
何年も前から近しい友には「開業したい」と漏らし続けていた。
いつまでも浮き草人生って訳にもいかない、
ここいらで思い切らなくては背に腹も替えられず、
荒海に出て行くしかないかと・・・。
不況の中、家賃が最低でも10万、う~ん、とうなるばかりだった。
家賃を払うために働くなら、まだアルバイトをいくつかしながら食いつないだ方がいいか?
なかなかTAKE OFFできない凪の日々が続いた。
自宅改装も頭にはあったのだが、ご近所さんの手前、こんな住宅街で開業をすると云うのも躊躇った理由である。
しかし、ある日、近所の奥さん方の井戸端会議につかまった細君が背中を押されたようなのだ、「やったらええやん」
それで一番躊躇していた細君の心に小さな火がついた。
創作料理とか家庭料理と云う言い方はやめておこう。
夫婦で話し合った結果、屋号を“家族料理 MARUCO HOUSE”
とする事に決めた。
友人達が遊びに来た時みたいな楽しい夕食って感じでええやないか。
それから一気にバタバタした日々が続いた。
電機屋の友人の伝で店舗専門の業者を紹介してもらい、
酒関係は盟友moonshineの堀江やカメラマンのスーヤンに教えを請い、
中古厨房機器屋、アウトレットの家具屋、ネットでの検索、
手探りのHP作成、案内状の作成。
一番大変だったのは倉庫と化していた我が家の一階の片付けである。
数々の民族楽器、PA,五本のタンス、その中の衣服、
和服、押入れ、物入れの家庭用品。
ネットで検索して、あちこち当たった。
貰ってもらえるものは貰ってもらう、売りに出したって二束三文の古着、
細君の嫁入り道具の和ダンスだって処分してもらうのにずいぶん高くついた。
買い手などない細君の着物は総額数百万にものぼるだろう。
買う時は何十万、何百万であろうと処分する時は多額な金を払わないとならないのが納得いかないけど。
とりあえず家具屋、中古厨房機器屋、生活雑貨、電機屋、ガス屋、水道屋。
毎日走りまわり、毎日誰かが立て続けにやって来る。
お陰様で倉庫と化した一階は着工を向かえ、
ドンドン、トントン、ブィ~ン。
どうにか6月末には完成予定である。
7月は予行演習をしたり、仕込みをしたりの月にしようと思う。
なにしろ、右も左も判らない、その上、僕は早朝のアルバイト、
細君はパートを継続しながらやって行かなくては食って行けない。
勿論、僕は少なくなるけどライブ活動も続けていくつもりだし。
だからどうにか軌道に乗るまでは月・水・金の週三日の営業にしようって細君の提案もあり、スローペースで長く続けられるようにと呑気に考えています。
僕が数年前、ホームページを立ち上げ“MARUCO HOUSE”
と云う名前にしたのも“僕の家”って言う意味だった。
本当の僕の家“MARUCO HOUSE”が出来上がる事になります。
あまり目立つ事無く、口コミ中心でひっそり始めたいと思うんです。
それなりの低価格で酒と料理を提供できる事も大事です。
カウンター5席、テーブル席8席と言うめちゃ狭いスペースであります。
メニューも大皿と定番料理、生ビールと焼酎を中心に、ソフトドリンクもおます。
音楽は70年代フォークを中心に、仲間のミュージシャンのCD。
現在のところライブをする事は視野に入れていませんが、
音楽及びアートの小さな発信地にでもなればと思っています。
地味に、したたかにがモットーです。
ただ、実際に店舗が完成し、オープンするまでは実感が湧かないのも確かですし、お客さんに来ていただいてこそ店も呼吸を始めるのですから、
その点も不安であります。
以上、僕はこの放射物質広がる空の下、居酒屋でもなくBarでもない、
おかしな店のマスターになりますので、宜しくお願いいたします。
日頃、酒大好き人間ではありますが、
僕は飲む側ではなく、飲んでいただく側になりますので、
その点はご心配なく。
一応、2011年8月1日(月)開店予定です。
何分狭いスペースなので可能な限り、ご予約をいただいた方が、
席がないなどのご迷惑をかける事がないと思います。(そうなればええけど(^.^))
詳しい事は追って発表いたします。
また僕は細い綱を曳いてしまい、不安定な綱の上、
自転車のペダルをこぎ始めようとしている。